〈真実〉は、いたるところにあるんだが、見ることができない。まるで「白昼の闇」だ。だが、それが見えてしまったひとがいる。
そんな人間たちが、表現してきたものを「宗教」とか「仏教」と言ってきただけだ。ある法座で、「幼い頃から『自分の存在について』深く悩み、友達や親、誰にもその事を相談することもできずに人生を過ごしてきた」女性がいた。その方は、自分の悩みは異常ではないか、おかしいのではないか、と誰にも相談することなく人生を生きてこられた。ところが、その悩みこそが仏教のメインテーマであることを知ったとき、どれほど感動されたか。自分の悩みは、歪曲された異常な悩みではなく、人類普遍の問題だったのだ。彼女には「白昼の闇」が見えてしまったのだ。気がつけば、「ええっ!お釈迦さんも私と同じ悩みを抱えていたの!」とビックリした。「白昼の闇」に気づいてしまった人間たちが、支え、繋ぎ、訴え続けてきた。そういう人間たちを「地中のサンガ」と命名した。