この一点

カップ納豆をぐるぐるかき混ぜていたら、納豆をぐるぐるかき混ぜるために
私のすべての過去があったのかと、陶然としてきた。
ああこのためだったのかと。
そう気づいたら、〈永遠〉がやってきた。
未来と過去が、この一点に極まった。
こんな些細なというか、微細なところに〈真実〉が転がっていたのか。
人間という生き物は、実に「大雑把」にしか物事を見ていないものだ。
それは「動物」だから、つねに動き続けているから、見えないのだ。
その「動物」の視点が、「植物」になること。「石」になること。
そう。
静止した途端に、全宇宙が動き始める。