自分を信ずるな

「自分を信ずるな」ということ。
自分が何を思おうと、それは煩悩が思わせているもの。
だから、救われようが救われまいが、すべては自分の心の中ということ。地獄も極楽も自分の心の中以外にはない。
自分の都合通りに行けば極楽、自分の都合に合わなければ地獄。

でも、何を思うかということも、自分ではコントロールできない。
思わされて、思っているだけのこと。
その自分を信じなくてよいようになること。
それが本当の自分を見出すということ。

あらためて「煩悩具足の凡夫」が、私を教えて下さる「御教え」だということ。決して、これが自分には見えない。
いつも見えているのは「煩悩具足の凡夫」の影だ。〈ほんとう〉の「煩悩具足の凡夫」を、私は見たことがない。
だから、〈ほんとう〉は、自分が「煩悩具足の凡夫」であるかどうかは分からないということ。

〈ほんとう〉が見えないという幸せ。見えたと思ったら、傲慢にもなり、絶望的にもなり、舐めてかかってしまう。
〈ほんとう〉が見えなくてよかった。〈ほんとう〉によかった。